映画『ラストレター』2020年・岩井俊二監督作品(日本)@イオンシネマ

映画『ラストレター』2020年・岩井俊二監督作品(日本)@イオンシネマ

 

岩井俊二の作品はいつも、観る前は不安だ。何が不安かというと、きれいごと過ぎてくさかったらどうしようとか、フィクションが過ぎて白けたらどうしようとか思うのだ。

しかしいつものように、白けることはなかった。絶妙なバランス感覚で作られた物語を見せてもらった。美しい物語でありながら、現実感もある。きれいごとを言われているわけでないのに、どうしようもなくきれいなものが胸を満たす。

 

登場人物の構成はシンプルでわかりやすい。それぞれの輪郭がはっきりしている。

愛すべき人たちの中で、一人物語に陰を落とすアトウといういわゆるクズ男が出てくるが、彼はただのクズよりたちが悪い。なかなか頭が良くて文学的で哲学的なのだ。人を傷つける時もきっと徹底的に追い詰めるんじゃないかと想像できる。次の奥さんみたいな、どこか諦めているからこその寛容性を持ち合わせた人でないと一緒にいられないだろう。

 

ミサキみたいに美しくてしっかり者で生徒会長をやるような人が、アトウみたいな人と激しい恋に落ちて、最後は極限までぼろぼろになって、生きていけなくなるようなこと、本当にありそうでつらい。

 

こうやって、フィクションでありながら、登場人物の人生を想像し悲しくなったり希望を持ったりして、ふと何やってるんだろうと思ったりするけど、現実においても、結局人の暮らしなんて、自分に関係すること以外想像するしかない。1回しかない人生を何倍も生きるために、人には物語が必要なんだよと言っていたのは誰だったっけ。

この映画は主人公が何人もいるようだった。それぞれの人生を思った。

 

広瀬すず、よかった。どの作品でもその役そのものに見えて、いつも感心する。そして安定感。芯が強い女性を演じる機会が多い印象なので、そのせいもあるかもしれないが、見ていていつも安心する。本人の器の大きさが画面から伝わっているんじゃないかとも思う。若いのにねえ。。すごい。 逆にブレブレのキャラクターも見てみたいな。

 

森七菜、よかった。この演技もなかなか難しいのでは。広瀬すず演じるアユミやミサキに対して、幼さのあるソヨカ、片思いするユウリ。余白の多いキャラクターという役割をまっとうしていた。

ユウリのラブレターは、えらかったね(母親目線)。

 

40過ぎた私は観て思った、

若い頃に発した言葉が、未熟な頭で考えたくせになぜか真理を突いていて、無邪気に発された言葉だからこそまっすぐにきれいに何十年後かの自分に届くって、あるよね。。

吹き抜けの階段に座る二人のシーンとともに、胸をつかまれました。

 

そしてとにかく、画面に映っている何もかもがきれいで。。風景も、人も、家も。犬も。笑

夏の光の中の、少女二人とボルゾイ、美しすぎるわ。

はかない美しさを撮ったという意味でも価値があるよなと思う。

時短レシピ「はちみつどり」=「鶏のはちみつ焼き」

以前、「はちみつどり」をいつかご紹介しようと書いていたんですよね。

昔、料理研究家の堀江ひろ子さんにお料理を教わる機会があり、その時教えていただいたのがこのメニューです。

検索したらレシピがありました→https://www.kyounoryouri.jp/recipe/3043_%E9%B6%8F%E8%82%89%E3%81%AE%E3%81%AF%E3%81%A1%E3%81%BF%E3%81%A4%E7%84%BC%E3%81%8D.html

我が家の定番となり、我が家ではずっと「はちみつどり」と呼んでいるのですが、オリジナルの名前は「鶏のはちみつ焼き」だったんですね。

すごくいいレシピなので、ご紹介させてください。

 

堀江ひろ子先生は、時短メニューをいろいろ考案されているらしく、その一つとして教えていただきました。

最初から最後まで生肉に手を触れずに済ませられるのもポイントですよ、と。

生肉に手を触れないだけでも、手を洗う手間が省けますしね、わかってらっしゃる!

ほんと、いろいろ作業している中でこれはありがたいポイントです。

 

鶏もも肉をビニール袋に入れ、しょうゆとはちみつを入れ、もんで、冷蔵庫に入れておく。

鶏もも肉2枚に対し、しょうゆ大さじ4、はちみつ大さじ2ですね。

調味料が少なくて覚えやすいのもすばらしい。。

 

その状態で4日くらい置いておけるらしいです。置けば置くほど味が染み込んで、身の食感や風味が変わってきます。

どのタイミングでもそれぞれおいしいですよ。試してみてください。

私は、置いている間、冷蔵庫を開くたびに向きを変えたりしてます。まんべんなく染み込むよう。

 

はちみつがいい働きをしてくれます。殺菌作用もあるということで、鶏独特のにおい(私あれが苦手なのです)がなくなります。よくくさみけしにはお酒が使われますが、はちみつだけで気になるにおいがまったくしなくなります。甘みもちょうどよくて、風味・香りもとてもよいです。

 

鉄板にアルミホイルを敷いて、もも肉を皮を上にして置く。この時、皮のシワを伸ばす。

トースターで10分。オーブンだと200°に予熱して、10分。

皮目に照りを出したければ、10分間焼いた後に鶏肉をトングでつかみ裏返して、トングでつかんだままホイルにたまった汁にスッと皮面をつけて、また元のように置くと照り照りでおいしそうになります。

 

私は、その後また鉄板ごと火の消えたオーブンに入れておいて、余熱で完全に火を通します。多分10分で火は通っているはずだと思いますが、お好みで!

 

粗熱がとれたら、用途に合わせて切り分けます。

メインとして食べるならとんかつみたいに切ってもいいし、一人1枚食べるなら各自フォークとナイフで切って食べてもらってもいいですよね。

 

そのまま食べるのはもちろん、

薄くそぎ切りにして大葉やレモンをはさんだり、もう少し小さく切って生野菜と和えたりするとおもてなし料理の一品にも使える。

冷めてもおいしいので、お弁当のおかずに最高。漬け込んでおいたお肉をトースターかオーブンで焼いて切るだけだから、朝やっても手間でないのがすごいです。

もちろん前日の晩ごはんに出して余ったものをお弁当に詰めても大丈夫です。

 

この間我が家でやって好評だったのは、晩ごはんでたくさん作って半枚分とっておいたはちみつどりを、小さめに切って、パイにしたやつ。

週末の朝ごはんにしました。

パイシートがずっと冷凍庫で待機していたので、何かに使わなきゃと思っていたんです。

 

はちみつどりと、レンチンしたじゃがいものスライスと、ゆでたブロッコリーを小さくしたもの、マヨネーズを少々、パイシートで包んで焼いたら、たまらなくおいしかった〜〜!

一人1個、菓子パン大で作りました。

もちろん、いつも通り適当ーに作ったんで、形はいびつですが、焼けたらそんなに気にならない。

まあ、トースト焼くよりは手間なので、余裕のある朝限定ですけれど、なかなかいいなと思いましたよ♪

 

はちみつどり、もとい、鶏肉のはちみつ焼き。

簡単だし、万人受けする味だし、アレンジがきくし、懐の深いレシピだなと思います。

漬け込みだれを工夫して、はちみつ・塩・ゆずの絞り汁とかもやって、おいしかったです。

きっとエスニック風とかもいけそうですよね。

 

おすすめです!

映画『パラサイト 半地下の家族』ポン・ジュノ監督作品(韓国)@TOHOシネマズ

映画『パラサイト 半地下の家族ポン・ジュノ監督作品(韓国)

韓国映画は『オールドボーイ』『お嬢さん』を観たことがあり、今回本作品を観たのだが、これらの生々しさは韓国映画の得意とするところなのだろうか?たまたまなのでしょうか。

身体的な現実味があるので、観終わった後疲れる笑 すべて面白かったし、おすすめですけどね。

 

さて、パラサイト。失業中の半地下に暮らす貧しい家族と、豪邸に住む会社経営者の家族の対比が残酷なほどに描かれる。私自身は生活ぶりとして、貧乏でもなく超リッチでもなく、ちょうどその中間に属する位置だと思うので、どちらも我が身に置き換えて感じられる面がある。相対的に余裕がある者としてそうでない側に接する時もあれば、逆に富裕層の人をそうでない者として眺める時もあるからだ。自分の中にある色々な気持ち、視点を刺激されてじわじわともやもやさせられる。

 

この映画のキーワードとして「におい」があるが、彼らのにおいってどんなんなんだろう。

古い切り干し大根のような・地下鉄のにおいにも似た・半地下のにおいだよ。と言っていたが。。

スクリーンからはわからない「におい」を重要なキーにするところが憎いなあ。

それにしても、あの高校生のお嬢さんはそのにおい、気にならなかったのかしら。

 

半地下の家族の俳優さんたちは見事に貧困家庭の人間を演じ、そんなに観たことのない俳優さんたちであるということも手伝い、普段からそういう暮らしをしている人たちにしか見えない。

映画の世界につかったままで数日過ごしたのち、たまたま監督と主演のソン・ガンホさんが何かの映画祭に出席した写真を見たら、当たり前なんだけど、あの貧困家庭のお父さんではなかった笑 きらびやかな衣装を着て、髪もきれいにして、ぱりっとしてた。当たり前なのにそんな時いつもびっくりしてしまう。お母さん役の人だって、元の家政婦さん役の人だって、女優さんだから普段は美しい。本当にすごいよな。。

 

書いてて気づいたけど、この映画の中の貧しい人たちは本当は貧しいけれどそうでない顔も見せる(そのふりをしている)。リッチさと貧しさの対比だけでなく、リッチさと偽りのリッチさの対比、偽りのリッチさと貧しさの対比もあるんだな。

その場ごしらえの偽りの豊さは、すぐにでも破綻するかのようであるが、見破られることのないまま「終わり」のシーンへと進んでいく。見破られなかったことが最大の悲劇を引き起こす。薄っぺらなのにバレない。社長家族がいかに使用人を人として見ていないか、と言っているのだろうか?それとも、豊さなんて結局そんなものだと言っているのだろうか。どちらにしろすごい皮肉だ。

 

映画の紹介に「悲喜劇」とあるし、映画館でも時折くすくす笑っている人もいて、確かに笑ってしまうようなシーンはたくさん設けられているのだが、私は全然笑えなかった。どんどん暗澹とした気持ちになった。すべて悲しく感じた。(体調にもよるかもしれない。)

 

余韻が長く続き、長いことその映画のことを考えてしまう、そんな作品だと思う。

読書感想:『大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』仲村和代 藤田さつき

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実』仲村和代 藤田さつき

11月にミナペルホネンの展覧会に行ったのがきっかけで、衣服がどのように作られているのか気になり始めた。

アパレル産業についての本を図書館で探して借りたのがこの本。

薄々わかってはいたような気がする、けど、はっきり知ると衝撃的な、世の中でいま起きているいろんなことを教えてくれた。

 

タイトルの通り、アパレルとコンビニの廃棄問題について、アパレルについては衣服の、コンビニについては食品の大量廃棄のことを書いている。

筆者は二人とも朝日新聞の記者さん。時には名を伏せた様々な現場に足を運び、 取材し現状を伝えてくれている。

業界の中から変わろうとする人々の取り組みにも触れられており、衝撃的なだけでなく未来への希望も感じさせ、全体として大変興味深く読んだ。

 

一消費者として、衣服と食品は最も身近な商品と言える。両方とも生活にとってとても大事なものだ。

それらが、着られるものなのに、食べられるものなのにゴミとして捨てられていくというのは、もったいなくてもったいなくて心が痛む。

 

衣服はリサイクルされる。そう思って、着なくなった服を手放すことに罪悪感を感じなくなっていたけれど、リサイクル、リユースにも限度があることを知った。

リサイクルしにくい生地(化学繊維)もある、新興国でも再利用の需要がない服(冬もの)もある、そもそも新興国への押しつけと産業発展の阻害になっている可能性もある。。

衣服の生産量と、リサイクル/リユースの需要の量は一致していない。出口から出きらない衣服がただ捨てられている状態だというのだ。

よく考えてみたらわかったことかもしれない。でも考えないようにしていたのだろうか。。

 

そもそも、低価格にするために大量に生産しすぎて売り切れず、一度も着られず、リサイクルもされず、捨てられていく(しかも環境にマイナスな形で…)衣服も大量にあるという。

衣服というのは、大量生産でいくら低価格のものでも、最終的には人の手でミシンがかけられているものらしい。それは、知っている人にとっては当たり前のことかもしれない。でも、大量の安い服が粗雑に置かれたファストファッションなどの店頭を見ていて、私はそう思っていなかった。機械ですべて作られているのだと思っていた。

安い安いその衣服たちは、バングラデシュなどで人件費を抑えて作られている。低価格にするために、余ること前提で大量に発注がかけられていると言う。

余る、捨てられると決まっている服が、安い賃金で雇われた人の手で作られているなんて。。むなしさの極致のような光景だ。

 

「服が安くなっている陰で誰かが泣いている。」発注元から無理難題を言われてもやるしかなくて、外国人実習生に過酷な労働を強いざるを得なかった零細縫製工場の社長の言葉だ。新興国の工場だけでなく、数少なくなった日本の工場の状況も非常に厳しいところが多いようだ。

 

食品も然りで、売場の棚がいつも食品でいっぱいになっているようにされていれば、買われない商品も当然出る。販売機会の喪失を防ぐためという理由で、棚の薄い状態を作らないような量を仕入れ、そのためなら廃棄もいとわない。つい最近までそれが店の常態だった。未だその方針でやっている店も多いだろう。

 

棚がさみしくてもよし。賞味期限が迫っていてもすぐ食べるんだからよし。消費者が買う時にそういう姿勢を示していけば、少しは変わっていくだろうか。

 

この流れを変えようと、無駄を減らす仕組み作りに取り組んでいる勇者たちもいる。

この本にはそんな方々の会社やお店の情報も具体的に載っている。

10YCや、捨てないパン屋ドリアンなど、エシカルという意味だけでなく、商品が魅力的で買ってみたいお店が結構あった。

 

既存のシステムに心地よく乗って、スマホを開けば目に飛び込んでくる流行の服の広告に今日も見入り、好みの服が安く売っていればうれしい、そんな消費者である私だけれど

「知る」入口にだけ立てたのかなと思う。

次にどういう「選択」を私がするのか。自分を見ていきたいと思う。

眠れない夜に眠るには。お布団の中でできる方法4つ

年のせいなのか、時々布団に入っても眠れない時があります。

そんな私が試してみて、結構成功率の高い入眠方法をご紹介します。お薬とか寝具を揃えるとかではなく、簡単なものばかりです。

最初の3つは私のオリジナル(ほぼ)。最後は人に教えていただいた方法です。

 

1 夢みたいな内容の本を読む

私がうまくいったのは、ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』吉田戦車『ぷりぷり県』など。

不条理ものというのでしょうかね、寝て見る”夢”って、筋書きがあっちゃこっちゃと突拍子もないですよね。ああいう夢みたいな世界観の本を布団の中で読むと、頭の中が多分、夢みたいな状態になっていくんじゃないでしょうか。スムーズにとろとろと眠りの世界へ移行していけます。

非日常に解き放たれながら睡眠に入っていく感じで、気持ちいいです。

特に『ぷりぷり県』はうっすら笑いながら眠れるのが気に入っています。

(決してつまらないから眠っちゃうという意味ではない、ということを強調させていただきます。)

たまたま読んでいて眠れた本を載せました。 他にもそういう本、あると思います。

 

2 連想ゲームならぬ、「連想しないゲーム」

上の方法と原理は同じかと思います。これは道具いらずで、布団にすっぽり入ったままできる方法なので冬場は特にいいかもしれないですね。

よくある連想ゲーム「バナナと言えば黄色、黄色と言えば信号…」のような連想ゲームの、「逆」をやるのです。

始まりの言葉は何でもいいです。思い浮かべたら、その単語とは全く関係のない単語を思い浮かべるのです。何それ…と思われそうですが。意外と、できるものです(笑)

私のやり方は、目を閉じて、頭の中に宇宙みたいな暗い空間をイメージします。その奥から単語の文字がふあーっと音もなくやってくる映像を思い浮かべます。その文字をどっかにフェイドアウトさせつつ、また奥から、前の単語から「連想しない」単語を出します。出しますったって、とお思いかもしれませんが、頭をそういうモードにすると言葉って意外と意識の奥からやってきます。単語が消えるのと現れるのは、間を置きません。考えてはいけません。直感みたいな感じです。

漠然としててごめんなさいね!でもやってみるとできると思いますよ。

バナナ 三文 運動 銀河 レンコン 用事 泥まみれ 数寄屋 転がす ふき 1

ちょっとやってみました、急にすみません。

通常の思考のつながりを断ち切る感じなんでしょうか。

やってるうちに、夢っぽくなってきて、眠れます。

 

3 顔を中心に寄せてから、アホヅラする

はあ?と思われそうですが。笑

眠れないとき、ふと気付くと全身に力が入っている時ってありませんか?私は気付いたらすんごい奥歯を噛み締めていた、ってことがよくありました。

力が入っていると眠れないし疲れます。それを緩和するための方法です。

むかーし、笑いヨガ(だったような気がします)をちょっとだけ習ったときに教わった顔の緊張と緩和の方法を使ってます。

 

顔のパーツをぐーっと顔の中心(鼻辺り)に集めるイメージで、ぎゅーっと寄せます。眉を下げ、ぎゅっと目を閉じ、口もすぼめて鼻に寄せ。梅干し食べてすっぱーい!って顔に近いですかね。

ぎゅーっと寄せて数秒キープしたら、一気にそれを解除します。中心から外へ広げるイメージで、ふわああああーっと。

そのときに、思いっきり「アホヅラ」をしようとしてください。もし声を出したとしたら「ホゲーーーーー」とか「ほうあおえええええええ」みたいな声が出ちゃうイメージで、顔の力を抜きます。

口は半開き、鼻の穴もちょっと広がるかもしれないですね。目も半開きでちょっと白目、みたいな。

とても人に見せられない顔になると思いますが、お布団の上だから気にしないで。

 

これで結構気持ちよく力が抜けて、そのまま眠れちゃったりします。

そんなんで?と、自分で書いていても疑わしい(笑)けど、一番簡単ですぐできる方法なので、気軽に試してみてください。

アホヅラするっていうのがポイントで、日常のよろいを脱ぐ感じもあって、なんかいいですよ。

 

4 その日の「やったー」を思い出す

これは人からお聞きした方法です。やってみたらとてもよかったので、書かせていただこうと思います。

 

お布団に入り、目を閉じて、その日にあった「やったー」と思えた事柄を思い出していく、という方法。どんな小さな事柄でもいいんです。お料理の味付けうまくいったな、とか。用事を忘れず済ませられたな、とか。快便だったな、とかでも。今日はよく晴れてたな、でも。

ネガティブに1日を思い返すと、どんどん自分を責める方向に考えてしまい、眠れなくなります。私は加齢に伴ってなのか、数年前からこのようにして眠れない日が出てきました。ドツボにハマってしまうとつらいので、反省はお布団の中でしない方がよさそうです。

「やったー」を思い出していくと、いい気持ちで眠れますよ、心にも体にもいいですよ、と教えていただきました。

 

よさそうだけど眠れるんだろうかと半信半疑でしたが、実践してみたら、眠れるんですよ(笑)思い出してリストアップしているうちに、いい気持ちで。

きっと、項目だけ思い出そうとするのがポイントかもしれません。1つ思い出したら、そのことについて掘り下げずに、次の「やったー」を探した方がよさそうです。掘り下げだすと考えちゃいますから。するとネガティブ思考も顔を出すこともあるので。

「やったー」のハードルを下げて、努力しなくても見つかるようにしてみてくださいね。そんなにたくさんでなくても大丈夫だと思いますよ。私は3個めくらいで覚醒と眠りの境界線をさまよい出します。

ちなみに、今日の私の「やったー」をリストアップしたらこんな感じです。

「アサリスープがおいしかった」「子どもの手を握ったらいつも昼寝しない子どもが昼寝した。かわいい」「久々にテトリスやったら面白いと思えた」「前の晩お酒飲んだけど二日酔いにならなかった」…小さいでしょ? こんなんで十分です!かなり幸せに眠れます。

 

 

いかがでしょうか。

眠れない、ってつらいですよね。

すんなり眠りに入れるヒントになったら幸いです。

映画『グレムリン』1984年ジョー・ダンテ監督作品(アメリカ) @Amazonレンタル

年明け、まだ夫も娘も冬休み中。三人で囲んだ夕食の席で、初めて映画館で観た映画は何か、という質問を夫にしたところ

グレムリンだったと思う…」とのこと。

夫も私も40歳ちょうど。公開当時、人気があって盛り上がっていた記憶がうっすらある。

調べると、『グレムリン』は1984年12月に日本で公開されているから、夫はは5歳か6歳で観たのではないかと思う。

 

私は映画館ではなく、テレビ放映かレンタルビデオかで何度か観たことがある。最後に観たのはいつだろう、20年以上前だと思う。

夫に、小さい頃だったら怖かったのでは?と聞くと、自分では覚えていないんだとのこと。親から、怖くて観ていられなかったと聞いているらしい。夫は上に兄が二人いる。人気映画を家族みんなで映画館に観に行ったはいいが、途中で怖くなって、一人、席に伏せていたんじゃないかと思われる。だから内容もわからないと言っていた。

 

娘は聞いたことも見たこともないので、私も遠い記憶ながらあらすじを説明をする。

すると娘が怖いけど観たい!というので、Amazonプライムで観られるかなーと検索したら、無料ではなかったが、字幕版なら2日間レンタルで100円で観られることがわかり、夕食後に観てみることになった。多少夜ふかししてもいっか、という、冬休みならではの気軽なノリである。

 

私は、出ている俳優さんたちほとんど覚えていなかったが、ママ役の女優さんだけ、お顔を観て記憶が刺激された。他にも出ている映画を観たことがあるのかな。。名前を観てもわからなかったが。

フィービー・ケイツが出ていたのも全然認識していなかった。二十歳前後のフィービー・ケイツ、かわいい〜〜。輝ける若さ。

そしてかわいいと言えばギズモ。ギズモは記憶よりもかわいかった。思ってたより小さい。声や表情、仕草が愛くるしい。歌うシーンとか、たまらない。

 

ギズモの背中に水がかかってしまい、背中から毛玉がしぽん!しぽーん!と飛び出し、モグワイが増殖するシーン。毛玉→モグワイのスピードめっちゃ速い。こんな簡単か。このペースで増えたらいくらかわいくても困るわ〜。しかもいい子のモグワイはギズモだけだし。ダメ、水、ゼッタイ。

 

ワルモグワイが悪知恵で夜食ゲット、グレムリンになるべく、まずはさなぎになるわけですが、まーさなぎ気持ち悪いですね。形がぐちゃぐちゃでいびつ。出てくるところとか、エイリアンを思い出す。ん、グレムリンとエイリアンって、どっちが先?と思って調べたら、『エイリアン』第一作は1979年公開なんだ!40年前。私の生まれた年。そんな前にあのSF超大作ができてたんだ。エイリアンのwikiを思わず読み込んでしまった。エイリアン観たくなったな〜。。

はい、『エイリアン』は『グレムリン』よりだいぶ前でした!『グレムリン』が『エイリアン』を参考にしたのか、パロったのか、全然関係ないかはわかりませんが。

 

で、ギズモ以外のモグワイは全員グレムリン化しまして、ドタンバタンする。物音に気づいたママとグレムリンの闘いが始まります。

 

久々に観て何に驚いたかって、ママ。ママ、めちゃくちゃ勇敢。接したこともない怪物に対して勇猛すぎ。

正面から闘おうという覚悟の決まった顔。道具を駆使して、スプラッタにも目を背けず(笑)グレムリンを征伐。観てて三人全員、ママすごっ!!ってなった。

ママの顔だけ私の記憶にあったのも、ママがすごすぎたからなのかもしれない。。

 

へっぽこ発明家のパパにも、すぐ壊れる発明品にも文句ひとつ言わずいつもやさしいママ。現代じゃこんなママなかなか描かれないと思うほど、一歩下がった女性。なのに!!やるときはやる!!それも、一人で!かっこいいで、ママ!

 

対するパパは、断る店員にしつこく迫りモグワイを無理に買ってくるというグレムリン騒動の元凶であり、押し売り寸前の発明品はどれもひどくて、しかもグレムリン騒動の最中はずっと出張中でまったく役に立っていない、”いいとこなし”の人物。

この対比は…子ども時代に観ていたときには全然気づきませんでしたが。女性の強さが描かれているのですかねえ。。うーん。女性に望みすぎだよお、ともつっこめるような。私がひねくれているのでしょうか。

 

さて、ママとビリーの征伐から逃れた一匹が、逃げ込んだ体育館のプールに飛び込む。

水で増殖するのはモグワイ状態の時だけではなかったんですねえ。。

プールが泡ボコボコ、光ビカビカ、なぜかスモークもくもくの恐ろしい事態に。まさに悪夢!増殖の悪夢!異生物に増殖を許してしまうというのは、支配されそうになる恐怖を感じるからなのか、こんなちっちゃいグレムリンであっても怖いもんですね。

 

あとまあ、フィービー演じるヒロインの、クリスマスの悲しい思い出は、かなりショッキングでしたね。どんなにすてきな思い出ができても上書きされないような気がしますが、ただの甘い思い出よりも、グレムリン事件の方が逆によかったのかしら。

悲しい思い出と「私のサンタの夢は消えたわ」ってセリフに、娘はどう反応するか!?とヒヤヒヤしたのですが(ただいま娘、サンタの存在を疑っているギリギリのライン)特に何も言わず。。どう思ったんだろう。

 

30年以上昔の作品を観てみたわけですが、特殊効果やファッションなどの他にも、時代を感じる描写がそこかしこに。

外国産を憎む退役軍人のぼやきとか、公開当時だったら時代の空気としてわかったのかな。

 

当時の空気感もあるし、やっぱり価値観とか、技術とか、新しくなってどんどんよくなっていることの方が多いと思うので、親の懐古趣味で子どもに昔のものばかり観せちゃいけないなと思っているんだけど、つい付き合わせちゃうこともある。娘は『グレムリン』を観て、怖かったけど面白かったー!と言っていましたが、新しいものもどんどん一緒に観ていこうと思う。

あと、外国映画は吹き替えばかり選んでいたけど、字幕もいけるようになったんだなと、娘の成長を感じた。

 

ちなみに、娘の初映画館は、ドラえもん 新・のび太の日本誕生』。映画に罪はないのですが、親の選択ミスでした。ギガゾンビが怖すぎて泣き叫び、以後映画嫌いになるという暗黒期が数年続いたのですが、徐々に映画好きになってくれて、今ではあれ観たいこれ観たいと言ってくれるように。心底ほっとしているところです。

私の初映画館は『ハチ公物語』。悲しくて号泣した思い出がある。あれ、もしかして三人とも初映画館で泣いてるかも笑

2019秋のドラマ最終回を終えて。『グランメゾン東京』

日曜劇場『グランメゾン東京』日曜夜9時・TBS 主演:木村拓哉 脚本:黒岩勉 プロデュース:伊與田英徳、東仲恵吾 演出:塚原あゆ子山室大輔、青山貴洋 料理監修:岸田周三(カンテサンス)、トーマス・フレベル(INUA)、服部栄養専門学校 音楽:木村秀彬 主題歌:山下達郎「RECIPE(レシピ)」(Warner Music Japan) 製作著作:TBS

 

年末年始を経て、すっかり遅くなってしまいました。『グランメゾン東京』もとっくの昔に最終回を迎えましたね。

全11話を通しての感想を書かせていただきました。

 

単純に、面白かったです。

おいしそうなフレンチの料理の数々、いろいろな調理方法、聞いたことのない食材。

料理人の世界が私にとって身近ではないから、未知の世界を見せてもらう楽しさがあった。

ストーリーを彩る華やかなキャストのみなさんの、血の通った演技にも惹きつけられた。

 

最後まで数年前のコンタミネーションの件で苦しめられて、いつまでやられるねんと思っていたけど、全11話は3つ星とるまでの話でもあり、コンタミネーションの件が解決するまでの話でもあったんですね。てことは、3つ星とるくらいじゃないとあの事件は拭い去れないということでもあるのか。

 

まあいいとして、

 

美しいフレンチのメニューに負けず美しいキャストの面々に注目せずにはいられないのだが、照明とかカメラとかメイクとか衣装とか、そういう技術面で俳優さんたちを美しく撮ったというのもあるのだろうか。思い返しても、記憶の中でみなさんキラキラしている。

中年の俳優さんが多くてもキラキラが溢れてたのはすごい。

 

私は以前から鈴木京香が好きで、今回もいいわあ〜(ハート)と思わせてもらい、中村アンも小気味のいいかわいさ。パティシエ役の吉谷彩子も”微妙に腹立つ”役を好演したのではと思う。

そんな女性陣の中で、今回特に言いたいのは冨永愛のこと。

リンダ・真知子・リシャールという、結局肩書きはマリクレールの編集者でいいの?と私は最後によくわからなくなっちゃったんだけど、とにかく美食家(フーディー)でありオバナナツキの元彼女である女性役だった冨永愛が出てくると、彼女の「顔面の動き」に釘付けになってしまったのです。(関係ないけど、リンダ・マチコ・リシャールって、声に出して言いたくなる名前だよね笑)

 

顔に無駄なお肉が全くなく、肌もきれい。彼女の特徴的な骨格に皮が乗って、食べたりワイン飲んだり喋ったりしてそれが動くと、その動きが何だか気持ちよくて、目を奪われた。

演技を見たのは私は初めてだったかもしれないが、不安感など感じず、声も良くて、上手だと思った。

はまり役だったとも思う。

真っ赤なコートで、矜持をかまして出ていく彼女のラストシーン、すてきでしたね。

 

次に演じるのはどういう役だろう。やれる役は限られるのでは?と思ってしまうけど、イメージの枠から飛び出してほしい。いろんな役を観てみたいです。

 

あと、本当〜に個人的に最近思っていることなんだけど、みなさんどうでしょう。そろそろ「お顔の大きいかた」も良いねえ、という話なんですが笑

いやね、尾上菊之助さん。オバナナツキのライバル、gakuのシェフを演じておられて、料理への情熱や男気が画面からほとばしるようで、すてきでした。色白のお顔にくっきりとした眉と豊かなまつ毛も、歌舞伎の血を感じさせてくれましたが、同時に、お顔の大きさと重量感というものにも、私はいいなあと思ったのです。。

大きいと言ったって、一般人の普通の顔の大きさくらいなのかもしれませんが。ヒラコショウヘイ(あ、玉森裕太か)なんかと比べると大きくていらっしゃる。

小顔、小顔、と小さいお顔がもてはやされる世の中が続きました、確かに街中で芸能人やモデルさんなんかを見かけるとお顔が小さくて手足がすらりとしていて、それだけで輝いて見えますので、スタイル良しのセオリーではあると思います。画面や誌面で映えるとも思います。

しかし、その中にあって逆に、なのか、それとも絶対的に、なのか、今私は自分の感覚ながら判断がつきかねているのですが、大きい顔というのも良いなと、最近思っているのです。

 

大きいことはいいことだ。みたいな。

迫力満点。みたいな。

うわあ、大きい、すごーい。(←恐竜みたいな感覚ね。)みたいな。うまく言えない…笑

 

大きなお顔に大きなパーツで、それが表情を持って動くとこう…伝わる力があるというか。

 

どうでしょうね。これから、大きい顔ブームこないですかね。映画『凶悪』観たときにもピエール瀧の顔のでかさに感動したものでしたが。

ああ、今よく出ている佐藤二朗さんとかもかなりの大きさですしね。「かっこいい」にはならないのかな…うーん。

 

すみません、グランメゾン東京から脱線しました。

 

他にもいろいろあるんですよ。

ミッチーの役どころと彼の演技が結構好きだったな、とか、

最初の頃、主題歌がだせえ、これが流れると一気に古くさくなる、と思ってた(共感する人いないかな?)けど段々慣れた、とか

うちの夫はオバナナツキの美味しいものを食べたとき空を仰ぐ仕草におおうけしてた(滑稽すぎるって。わかるけどね)話とか

久々に木村拓哉主演作を観たけど、いわゆる何やってもきむたくっていう、きむたくらしさというか、きむたくくささ(きむたく見てると感じる照れ臭さ恥ずかしさ)がなくなってて、スッとストーリーに入れた感があったとか、

小学校低学年の娘のクラスでも観てる子が結構いたようだ(確かに子どもが観ても面白いかも)とかもありましたが、この辺で終わりにします。

 

グランメゾン東京のレストランもすてきだったけど、リンコさんのおうちも好きだったな。

細部にわたって楽しませていただきました。ありがとうございました!