2020冬のドラマ最終回を終えて。『知らなくていいコト』

『知らなくていいコト』日テレ・水曜夜10時放送・全10話 主演:吉高由里子 主題歌:『素晴らしき嘘』flumpool(A-Sketch) 音楽:平野義久 脚本:大石 静 演出:狩山 俊輔、塚本 連平、内田 秀実 ほか プロデューサー:小田 玲奈、久保田 充、大塚 英治(ケイファクトリー) チーフプロデューサー:西 憲彦 制作協力:ケイファクトリー 製作著作:日本テレビ

最終回を終える時期がまちまちなので、最終回を見終えたものから感想を書いていくことにします。ちなみに、今回連続して観たドラマは本作と、『コタキ』、だいぶ後から一気に見始めた『テセウス』と『恋つづ』ですね。『伝説のお母さん』は何話かためている状態。
では、『知らなくていいコト』から参ります。

いやーやっぱり大石静のバランスのいい毒がたまらない。バランスのいい毒、って何だ(笑)
最終回、ドラマだから、ハッピーエンドかバットエンドかってなるけど、リアルの人生はなかなかエンドなんてこないわけで、そういう、人生の続いていく感じを思わせる終わり方だった。ケイトとオダカさんは不倫の末結婚するわけではなく、でもそれはジャジャーン!!っていう「結果」じゃなくて、それもまた過ぎていく過程。運命のような恋だと思って苦しんできたけど、その後もお互い、それなりに生きてる。うんうん、そういうもんだよね。

何話目だったか忘れたけど、オダカさんがケイトに激しくキスするシーン、ありましたね。エンディングに差し掛かり、flumpoolの主題歌が流れる中、並んで座るケイトの頭を高速で振り向かせ!っていう。速すぎてどんな動作してるか気になって、何回か巻き戻して観ちゃった(笑)んだけど、ケイトの首、最初反射でビクウッ!!ってなってますね。スピード速すぎたんでしょう(笑)それも演技だったらすごいですけれどね。
最終回でも、オダカさんがケイトに結局振られて、すがって抱き寄せるシーンがありましたが、それも高速でした。
キスの時の高速は、オダカの情熱を見て、二人には不倫してほしくないと思ってた(中間地点での感想参照)けど、それほどまでにケイトのことが!と思いましたし、不倫を描いているのに、私も二人を少し応援してしまいそうな、また視聴者にも嫌悪感を持たれてなさそうですごいな(脚本や演出や演技)と最終回直前まで思っていました。
しかし最終回の高速抱き寄せは、なんかもう、オダカさんに辟易してしまいました(笑)(きっとケイトもそうなんじゃないかな?最後はキスもしたくなかったんじゃないか)、すごく芝居掛かった動作に思えた(芝居なんだけども(笑)、クサイっていうかね。恥ずっ!みたいな。情けない感じ)。

脚本すごいなって思いました。心地よく導かれ、毒にやられた感。そうだよね、そんなに簡単に愛を貫いたりするもんじゃないよね、人間って。苦渋の決断だったとしても、実はケイトはもう女としてもオダカさんもういいやってなってたと見た。
まあ…今の世の中で不倫からの結婚なんて結末、あり得ないか?フィクションだからいいはずなんだけどね、そんな気がしちゃいますね。

週刊誌の記者さんたちのお仕事ぶりも面白かったし、殺人犯の娘の件の決着のつけ方もさすがな感じしましたし(結局世間的には殺人犯の娘のままだから、その後の人生への影響は気になるけど。本人や近い人たちがわかってくれてたらケイトは大丈夫かな)、闇に落ちた亀もたくましく闇を貫いてて、視聴者を震撼させた彼も最後は笑いをさらっていくという。。すばらしいとしか言いようがない、ありきたりではないのに美しくまとまった全10話でした。面白かった!