展覧会感想:『ミナ ペルホネン/皆川明 つづく』展 @東京都現代美術館 2019年11月16日〜2020年2月16日

ラジオで今朝紹介していて、ミナペルホネンはよく聞くけど、「北欧っぽくてかわいいけど高い洋服ブランド」というイメージどまりだったので、時間のたっぷりある今のうちに!と行くことにした。(無職だから)

美術館のある清澄白河まで電車で1時間以上かかる上に、今日は昨日よりがくんと気温が下がって、しかも雨である。

夕食の準備も済ませたものの、空模様を見るうち気持ちが萎えて、自宅で映画を観るか、、、と予定変更しかけたが、お化粧前に今年初のダウンコートを着てみたら暖かくなり、持ち直した。勢いでピアスを付け、お化粧して出てきた。一人でのお出かけは気楽だけれど、キャンセルも気軽だから、気持ちの鼓舞が必要な時もある。

 

行ってよかった。特に、今まで作った服がずらりと並べられた「森」と銘打たれたコーナー。設立当初からの400着以上がハンガーに吊るされ360度ぐるり、床から天井近くまで展示されている。それがとてもすてきで、服が本当にかわいい。今案内を読むと、作られた年代をごちゃまぜにして展示してあったらしい。流行にとらわれず長く愛用してもらえる服を目指している、とあった通りで、どれも古さも流行も感じさせない服たちだった。

 

その圧巻の光景に感動して、自由でいいんだな。ってなぜか思った。好きなかっこうしよう。かわいいと思えるもの、好きなもの作ろう。とらわれず生きよう。ってなぜか思った。

 

展示の中に映像もあって、作っている工場での工程も映し出されていた。布や洋服を作るのって、人の手もたくさんかかってるんだなあと思った。

デザインがあって、それを一点ものじゃなくてある程度多く作るとしたら、多く作るための手順に落とし込むわけだが、例えば刺繍の運針の順番をプログラムに組んでいるのだと思われる映像。中年男性が細かい刺繍の一刺し一刺しの点をタブレットペンのようなものでピッ、ピッという音とともに押していた。

または、デザインの通りに服が仕上がるように縫製の手順を決めているのだと思われる、女性が型紙やミシンやアイロンを使って一着のワンピースを作り、その後何人かでその工程について話し合っている映像。大量生産に至るまでにも、簡単でない人の手がかかっているのだとわかった。

安い値段にはなりようもないと思った。そして、愛される服になるわけだとも思った。

 

こういった工程は、ミナペルホネンのような一部のブランドだけなのか、ということは私にはわからないのだが。

毎日新作がどんどん生み出されているようなファストファッションブランドってどういう仕組みなんだろう。

自分が全く知らない仕事のことなので、どうなっているんだろうと思うのは、この地球のたくさんの人が着ているたくさんの服、どんどん作られる流行に合わせた新作、デザインする人やパターンを作る人がたくさんいないと追いつきそうにもなく思えるけれど、そんなに人手があるの?とか、大量生産についても、工場はすごい勢いで稼働しているの?とか。どこまで手作業なの?とか。ブランドだって星の数ほどあるわけだし。

ブランドが服を作り上げるまでの道筋を全然知らない。この機会に調べてみようかな。そういうこと書いている本ってあるのかな。あるいは工場見学とか。探してみようかと思う。