映画『グレムリン』1984年ジョー・ダンテ監督作品(アメリカ) @Amazonレンタル

年明け、まだ夫も娘も冬休み中。三人で囲んだ夕食の席で、初めて映画館で観た映画は何か、という質問を夫にしたところ

グレムリンだったと思う…」とのこと。

夫も私も40歳ちょうど。公開当時、人気があって盛り上がっていた記憶がうっすらある。

調べると、『グレムリン』は1984年12月に日本で公開されているから、夫はは5歳か6歳で観たのではないかと思う。

 

私は映画館ではなく、テレビ放映かレンタルビデオかで何度か観たことがある。最後に観たのはいつだろう、20年以上前だと思う。

夫に、小さい頃だったら怖かったのでは?と聞くと、自分では覚えていないんだとのこと。親から、怖くて観ていられなかったと聞いているらしい。夫は上に兄が二人いる。人気映画を家族みんなで映画館に観に行ったはいいが、途中で怖くなって、一人、席に伏せていたんじゃないかと思われる。だから内容もわからないと言っていた。

 

娘は聞いたことも見たこともないので、私も遠い記憶ながらあらすじを説明をする。

すると娘が怖いけど観たい!というので、Amazonプライムで観られるかなーと検索したら、無料ではなかったが、字幕版なら2日間レンタルで100円で観られることがわかり、夕食後に観てみることになった。多少夜ふかししてもいっか、という、冬休みならではの気軽なノリである。

 

私は、出ている俳優さんたちほとんど覚えていなかったが、ママ役の女優さんだけ、お顔を観て記憶が刺激された。他にも出ている映画を観たことがあるのかな。。名前を観てもわからなかったが。

フィービー・ケイツが出ていたのも全然認識していなかった。二十歳前後のフィービー・ケイツ、かわいい〜〜。輝ける若さ。

そしてかわいいと言えばギズモ。ギズモは記憶よりもかわいかった。思ってたより小さい。声や表情、仕草が愛くるしい。歌うシーンとか、たまらない。

 

ギズモの背中に水がかかってしまい、背中から毛玉がしぽん!しぽーん!と飛び出し、モグワイが増殖するシーン。毛玉→モグワイのスピードめっちゃ速い。こんな簡単か。このペースで増えたらいくらかわいくても困るわ〜。しかもいい子のモグワイはギズモだけだし。ダメ、水、ゼッタイ。

 

ワルモグワイが悪知恵で夜食ゲット、グレムリンになるべく、まずはさなぎになるわけですが、まーさなぎ気持ち悪いですね。形がぐちゃぐちゃでいびつ。出てくるところとか、エイリアンを思い出す。ん、グレムリンとエイリアンって、どっちが先?と思って調べたら、『エイリアン』第一作は1979年公開なんだ!40年前。私の生まれた年。そんな前にあのSF超大作ができてたんだ。エイリアンのwikiを思わず読み込んでしまった。エイリアン観たくなったな〜。。

はい、『エイリアン』は『グレムリン』よりだいぶ前でした!『グレムリン』が『エイリアン』を参考にしたのか、パロったのか、全然関係ないかはわかりませんが。

 

で、ギズモ以外のモグワイは全員グレムリン化しまして、ドタンバタンする。物音に気づいたママとグレムリンの闘いが始まります。

 

久々に観て何に驚いたかって、ママ。ママ、めちゃくちゃ勇敢。接したこともない怪物に対して勇猛すぎ。

正面から闘おうという覚悟の決まった顔。道具を駆使して、スプラッタにも目を背けず(笑)グレムリンを征伐。観てて三人全員、ママすごっ!!ってなった。

ママの顔だけ私の記憶にあったのも、ママがすごすぎたからなのかもしれない。。

 

へっぽこ発明家のパパにも、すぐ壊れる発明品にも文句ひとつ言わずいつもやさしいママ。現代じゃこんなママなかなか描かれないと思うほど、一歩下がった女性。なのに!!やるときはやる!!それも、一人で!かっこいいで、ママ!

 

対するパパは、断る店員にしつこく迫りモグワイを無理に買ってくるというグレムリン騒動の元凶であり、押し売り寸前の発明品はどれもひどくて、しかもグレムリン騒動の最中はずっと出張中でまったく役に立っていない、”いいとこなし”の人物。

この対比は…子ども時代に観ていたときには全然気づきませんでしたが。女性の強さが描かれているのですかねえ。。うーん。女性に望みすぎだよお、ともつっこめるような。私がひねくれているのでしょうか。

 

さて、ママとビリーの征伐から逃れた一匹が、逃げ込んだ体育館のプールに飛び込む。

水で増殖するのはモグワイ状態の時だけではなかったんですねえ。。

プールが泡ボコボコ、光ビカビカ、なぜかスモークもくもくの恐ろしい事態に。まさに悪夢!増殖の悪夢!異生物に増殖を許してしまうというのは、支配されそうになる恐怖を感じるからなのか、こんなちっちゃいグレムリンであっても怖いもんですね。

 

あとまあ、フィービー演じるヒロインの、クリスマスの悲しい思い出は、かなりショッキングでしたね。どんなにすてきな思い出ができても上書きされないような気がしますが、ただの甘い思い出よりも、グレムリン事件の方が逆によかったのかしら。

悲しい思い出と「私のサンタの夢は消えたわ」ってセリフに、娘はどう反応するか!?とヒヤヒヤしたのですが(ただいま娘、サンタの存在を疑っているギリギリのライン)特に何も言わず。。どう思ったんだろう。

 

30年以上昔の作品を観てみたわけですが、特殊効果やファッションなどの他にも、時代を感じる描写がそこかしこに。

外国産を憎む退役軍人のぼやきとか、公開当時だったら時代の空気としてわかったのかな。

 

当時の空気感もあるし、やっぱり価値観とか、技術とか、新しくなってどんどんよくなっていることの方が多いと思うので、親の懐古趣味で子どもに昔のものばかり観せちゃいけないなと思っているんだけど、つい付き合わせちゃうこともある。娘は『グレムリン』を観て、怖かったけど面白かったー!と言っていましたが、新しいものもどんどん一緒に観ていこうと思う。

あと、外国映画は吹き替えばかり選んでいたけど、字幕もいけるようになったんだなと、娘の成長を感じた。

 

ちなみに、娘の初映画館は、ドラえもん 新・のび太の日本誕生』。映画に罪はないのですが、親の選択ミスでした。ギガゾンビが怖すぎて泣き叫び、以後映画嫌いになるという暗黒期が数年続いたのですが、徐々に映画好きになってくれて、今ではあれ観たいこれ観たいと言ってくれるように。心底ほっとしているところです。

私の初映画館は『ハチ公物語』。悲しくて号泣した思い出がある。あれ、もしかして三人とも初映画館で泣いてるかも笑