2020年冬のドラマ中間地点での感想『知らコト』『コタキ兄弟』『伝説母さん』

・『知らなくていいコト

主人公のマカベケイト(吉高由里子)がとにかくよく働く人で、パワフルかつ自分の倫理観を信じてブロドーザーのように取材をする。仕事だけじゃなく恋愛も情熱的にするタイプ。

女性の主人公として魅力がある。脚本の大石静さんって、魅力的な女性像を描くのがうまいのかもしれない。ちょっと前の『大恋愛』のナオちゃん(戸田恵梨香)もそれに当てはまる。反感を買わず魅力的に見せる最大限のエネルギッシュさ。オリジナルではないけど『おせん』とかも。

ドラマ内に主に2つの流れがあり、1つはケイトの普段の仕事シーン。これは爽快であり、コメディタッチもはさむのだが、もう1つの、自分の父親が無差別殺人犯かもしれないという流れ。これは打って変わって深刻なトーンとなる。ドラマの宣伝コピー「信じられないスクープは、私自身のことでした。」に該当するのがこれ(だろう)。ラブラブだと思っていた恋人(重岡大毅)に、このことで振られるエピソードや、自分のルーツへの怯えはリアリティがある。

最初はこの2つがはっきりと分断されていたが、次第に影響を及ぼし合っていく様子である。分断に違和感があったが、職業的立場とプライベートの絡んでくるこれからが本番となってくるのだろう。楽しみだ。

また、マカベケイトの元恋人役のカメラマン・オダカさん役の柄本佑。今回の役は二枚目どころで、おっ、ハンサムに見えるなあ!と私も思ったし、世間でもこんなにイケメンだったか…!?と少し話題になっている模様。柄本佑、役柄や髪型でだいぶ印象が変わる役者さんだよね。今回のオダカさん、一般社会にいたら絶対「かっこいい人」であろうと思います。一方、今クールで主演を務めているNHKドラマ『心の傷を癒すということ』での精神科医役では、誠実な人柄が滲み出るような見た目だけどハンサムには見えない(揶揄ではないです)し、かなり昔だけど『書店員ミチルの身の上話』(これも面白かった…!忘れられないドラマの1つ)では、なんと”気持ち悪かった”のだ。気持ち悪いからかっこいいまでこなすとは、まさに変幻自在…!

話戻って、オダカさん、やさしさと一線の引き方が完璧で、いい男。いや、うーん。出版業界だからありそうな、夜中に仕事部屋で二人きりとか、一般的にはゆるすぎかな?奥さんの立場だったらあってほしくない現場には違いない。でも簡単に一線を超えない、夫であり父親でもあるオダカさん。ケイトには幸せになってほしいがしかし、不倫に陥る二人は見たくない。どうなるんだろう??

 

・『コタキ兄弟と四苦八苦

テレ東のこの枠で主演がこの二人、脚本と監督の名を聞いたらなんかいい匂いしかしない。

期待どおりに、5話まで観た現在、とても楽ませてもらっている。この、特に何が起こるでもなくても面白いこの感じ。手練れにしか起こせない加減かと思う。

さっちゃん役の芳根京子がいまいちあの空気になじんでいないのが残念。かわいくて好きなんですが。今後に期待。

あの喫茶店、行ってみたいなと思ったら、セットだそうで。すばらしくよく作り込んでありる。あのほのぐらさ、古さ、インテリア、絶妙…!シャバダバ、って名前は、ありそうで絶対なさそうで好き。喫茶店の外観は実際にあるお店だそうです。

どの話もいいのだけど、樋口可南子をゲストに迎えた第四話、この辺であの話を持ってくるのがまた憎かった。面白かったし、ぐっときた。あの話はこの何も起きないドラマの中で、かなり「起きて」たね。

あの使い方、レンタル”兄弟”オヤジの使い方としてベストかと思いました。イチロウもジロウも、どちらも「ナニロー」と呼ぶ雇い主、笑った。そして明かされる、ナニローぐらいがちょうどよかったのに、が切ない。樋口可南子、強く美しくはかなく、よかったな〜。

これを書くに当たり、番組サイトを見ていて、ムラタ役の宮藤官九郎のコメントがさすがなりという感じでした。曰く“「コタキ兄弟と四苦八苦」というドラマ自体が可愛げで出来ています。” うーん、まったくそのとおり‼︎かわいげ!

最終話まで観ることが決定しているドラマ。これからも楽しみにしています。

 

・『伝説のお母さん

現在、第二話まで観たところ。結構期待して観始めた。

第一話は現実のお母さんたちが直面する問題がコミカルゆえにリアルに浮き彫りになっていてよかった。「子育てを後回しにした人類の負けですね。大人しく滅びましょう」 なんという名台詞。これだけで視聴意欲をかなり引っ張られる。

正直、第二話はちょっと?な部分が多かったのだけれど、それは私がドラクエやったことないからかしら…?でもまだまだ観ます。

番組サイトの掲示板で、視聴者のコメントを読んでいたら、「産休・育休とっていたら、同期の夫と昇進でも昇給でも差がどんどん開いてきて焦るけど…」というようなことを書いている人がいた。同じ会社の同期夫婦、でそういう状況って、差がわかりやすすぎて、結構きついなと、想像したらすごく気になってしまった。子どもを産んで、二人の子どもなのに、どちらかが我慢しなきゃいけないって。。どこの家庭でもバランスをとるためになされている調整なのだろうけど、あんまりわかりやすすぎて、ハッとなってしまったのです。仕事が好きそうな感じで書いてあったので、その人の気持ちを思うと泣きたい気持ちになった。

モブが言っていた、育児は母親がやった方がいいじゃん?の台詞。何も考えずに自動的にその結論に至っちゃ、もうだめだと思う。めいみたいに使命を帯びて能力のある人も、そうでなくたって仕事が大好きな人もいるんだから。

とにかく考えるきっかけをくれそうなドラマ。たくさんの人が観るといいな。入り口楽しげ、でも考えるきっかけをくれる。これもエンタメの効用の1つだと思います。

 

他、

『ミルドレッドの魔女学校』

『スカーレット』

『来世ではちゃんとします』など楽しく観ています。

最終回まで終わったらまた感想を描こうと思いまーす。