2019年秋のドラマ最終回を終えて。『俺の話は長い』『G線上のあなたと私』

・『俺の話は長い』土曜夜10時・日テレ  主演:生田斗真 脚本:金子茂樹 演出:中島 悟 ほか チーフプロデューサー:池田健司 プロデューサー:櫨山裕子 秋元孝之 制作協力:オフィスクレッシェンド 製作著作:日本テレビ

 

最高でした。 

滅多にない、中だるみなく全回クオリティが高かったドラマ。

途中から恋愛の話ばかりになっていってしまうのか?と心配したが、そんなことはなく、その後もファミリードラマを楽しませてくれた。

言うまでもなく会話劇がすばらしく、登場人物がみな愛すべきキャラクターで、それを生き生きと俳優さんたちが演じていて、その世界に飛び込みたくなるような立体感だった。

 

また、ちょこちょこと私は泣かされてしまったが、いい泣かせ方してきやがるというか、くさすぎなくていい。

最終回の、コージさんがタクシー運転手になるもう一つの理由にはやられた。。「くっ…」と変な声が出てしまった、恥ずかしい。

がんばれの合唱はちょっと照れ臭かったが、マラソンの声援に紛れさせるところが憎いし、あの家族らしかった。

 

役者さんみんなよくて、特別に誰が良いとも言えないくらい。

ミツルの減らず口に憧れたし、小池栄子の姉ちゃんの芸術的な間のツッコミにいつも笑ったし、姪っ子のいつもとがってる口と食い意地、を演じた清原伽耶に潔い女優魂を感じたし、コージさんのどこまでも優しくて情けないキャラクター、好きだったな。。安田顕、いい顔するなあ。。丁々発止のやりとりが繰り広げられながらもあたたかい茶の間の雰囲気は、母親役の原田美枝子の懐の深さが作っている気がした。

毎週楽しませてくれてありがとうと言いたい。私にとって完璧だったので、続編は望んでいない。あったら絶対観るけど。

ミツルのつむじの寝癖、好きだったなー

 

・『G線上のあなたと私』火曜夜10時・TBS 主演:波瑠 原作:いくえみ綾「G線上のあなたと私」 脚本:安達奈緒子 音楽:末廣健一郎 MAYUKO 主題歌:緑黄色社会「sabotage」 演出:金子文紀 竹村謙太郎 福田亮介 チーフプロデューサー:磯山晶 プロデューサー:佐藤敦司 製作:TBSスパークル TBS

 

二つある録画機器両方ともなぜか録画できてなくて、TVerでやっと見られました。TVerさまありがとう。。

最終回見終えてなお、よかった。

納得感があるのは、いろんな年代にわたる登場人物一人一人に魅力があったからでしょうか。

 

このドラマの魅力はなんだったんだろう。(ちなみに原作は読んでいないです。)

バイオリンを始めるところに興味を引かれたのもあるし、やはり三人の関係性が見ていて心地よかったのが一番かな。

大人になってからの、世代を超えた友人との出会いに、憧れも感じる。この三人の関係性はさぞ楽しかろうと思うし。

 

ヤエコとリヒトの恋は、中盤くらいに恋愛の予感を醸し出されたときには、えー恋愛始まっちゃうのかあーと残念で、ちょっと気分が下がったが、二人の恋愛があったがゆえにユキエさんのリアクションや応援の様子を観られたわけなので、結果、よかった。私はユキエさんを観るのが好きみたいです。

ユキエさんの立場や心情がけっこう繊細にリアルに描かれていた気がするので、原作者もしくは脚本家がユキエさんに近い立場なのかなと思った。少し遅く帰ったら家族が素うどんだけで夕食を済ませてて、おかずを足したくてあせるシーンとか、すごくリアル。

 

ユキエさん、いいわーと、クール途中のドラマ感想を書いている頃は単純に思っていたのだけど、よく考えると、いいわと単純に言ってていのか。とも思って。

ユキエさんには、やさしく大きな器を見せてもらうと安心する一方、それを求めてしまう自分に罪悪感を覚えるというか。「お母さん」「大人の女性」にお願いしたい理想像みたいなのが、お母さんであり40歳の女性である自分にもあるんだと気付かされました。だからこそ私は時々苦しくなるのかもしれない。なんて自分を省みました。

 

全体的にテレビドラマらしい清潔感とカラリとした明るさがあり、放送翌日の午前中の光の中、録画を観るのが爽やかでよかった。

 

・「グランメゾン東京」が最終回を終えたらまた書きます。